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2016 / 03 / 06 ( Sun )
婚外子の差別  立法府こそ解消を急げ  京都新聞 2013年07月11日

 法律的に結婚している夫婦の子(嫡出子)として生まれるか、結婚していない男女の子(婚外子)として生まれるか。子ども自身は決して選べない。にもかかわらず遺産相続を受ける際、婚外子は嫡出子の半分とする民法の規定が、法の下の平等を定めた憲法に違反する差別かどうかが争われた審判の弁論が最高裁大法廷であった。
 大法廷は、憲法判断や判例の変更をする場合に限って開かれる。最高裁は婚外子への差別を合憲だとした従来の判例を見直し、「違憲」と判断するとの見方が広がっている。
 婚外子の相続規定は1898年に明治民法で設けられた。イエ制度に基づく家督相続を前提にした考え方で、戦後の民法にそのまま引き継がれた。
 最高裁は1995年の大法廷決定で「婚外子にも嫡出子の半分の相続分を認めて保護したものであり、不合理な差別とは言えない」として、法律婚を保護する観点から合憲だと初めて判断した。15人の裁判官のうち5人が違憲とする反対意見を述べ、合憲とした裁判官4人が「立法府による解決が望ましい」と補足意見で表明するなど、僅差の合憲判断だった。
 最高裁の弁論は2件の家事審判で行われている。いずれも父親が死亡し、東京都と和歌山県で遺産分割が争われ、それぞれの家裁と高裁が大法廷決定を踏まえて差別規定を合憲と判断したため、婚外子側が特別抗告していた。
 社会情勢が変わり、家族観は多様化している。結婚に対する考え方もまた変化している。
 事実婚やシングルマザーを選択する人の増加に伴い、生まれてくる子どもに占める婚外子の割合が年々高まっている。2011年にはその割合は2・2%で、約2万3千人の婚外子が生まれている。
 婚外子をめぐる差別を撤廃する均等相続は世界の流れでもある。わが国も批准している国際人権規約や子どもの権利条約は、出生などによる差別を明確に禁止している。国際的に批判されていることを忘れてはならない。
 それにしても、立法府としての国会の怠慢が目に余る。
 法務省は、すでに10年に婚外子と嫡出子の遺産相続を平等にする民法改正案をまとめた。しかし、法案の一方の柱だった夫婦別姓導入をめぐって与野党間の意見が対立し、法改正には至っていない。
 最高裁は秋にも決定書面で司法判断を示すが、「違憲」決定を待つまでもなく、国会自身が政治の場で答えを出すべきだ。参院選後に、国会がすみやかに議論を再開することを強く望みたい。
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