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2015 / 06 / 08 ( Mon )
最高裁を軽視 自民党は思い上がるな
毎日新聞 2013年10月31日 
 
憲法で保障された最高裁の違憲審査権に異議をとなえ、軽視するかのような自民党の姿勢にあきれる。
 最高裁が9月、結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を結婚した男女間の子の半分とした民法の相続格差規定について、違憲判断を示した。それを受け、政府は規定を削除し、差別を是正する民法改正案の今国会提出を目指している。だが、自民党の法務部会が「伝統的な家族制度を崩壊させる」として、法案の提出を了承せず、今国会での是正が不透明な状態になっている。
 憲法14条の「法の下の平等」という国民の基本的人権の擁護に基づく最高裁の結論だ。三権分立に照らしても、司法の判断をないがしろにすることは許されない。早急に党内手続きを進め、今国会で法改正を成し遂げねばならない。
 29日の部会での発言を紹介したい。「国権の最高機関が、司法判断が出たからといって、ハイハイと従うわけにはいかない」「自民党として最高裁の判断はおかしいというメッセージを発するべきではないか」「違憲審査権があるからといって、オートマチックには受け入れられない」「最高裁決定によれば、安心して婚外子を産めるようになってしまう」−−などだ。
 もちろん、個々の議員の意見だ。自民党総体としての考え方ではないだろう。最高裁の判断に従うべきだとの声も一部であった。だが、全体として反対意見に押され、部会の結論がまとまっていないのは確かだ。
 自民党よ思い上がるな、と言わざるを得ない。
 日本は法治国家として、憲法の規定で立法、行政、司法の役割や権限を定めている。三権が互いにチェック機能を働かせる中で、国民主権の実現を目指す仕組みだ。違憲審査権に基づく最高裁判断を立法府が尊重するのは当然のことだ。1票の格差問題にも通じるが、三権の一角である司法判断への鈍感さは目に余る。
 自民党の憲法改正草案では、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」との規定を新設する。そうした考えに基づき、正妻の相続分の引き上げなどを主張する意見も部会で出た。
 法務省にそれを検討させることを条件に、民法改正案を了承しようという動きもある。だが、交換条件はなじまない。まず、司法の最終結論を立法府が重く受け止める。その上で、必要ならば別途検討するのが筋ではないか。菅義偉官房長官は最高裁の決定後、「厳粛に受け止め、立法的な手当てを早くしたい」と述べていた。自民党総裁である安倍晋三首相のリーダーシップが問われる。
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