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2014 / 12 / 09 ( Tue )
婚外子相続規定 「差別」の見直しは進むか
               
  新潟日報  2013年3月6日
 
長年にわたって続いてきた差別がようやく見直される。そう考えていいのではないか。
 結婚していない男女間の子ども(婚外子)の遺産相続分を、婚姻関係にある夫婦の子ども(嫡出子)の半分とする民法の規定が、最高裁大法廷で審理されることになった。
 規定が法の下の平等を定めた憲法に違反するかどうかが争われている家事審判の特別抗告審で、最高裁第1小法廷が決めた。
 大法廷に回付されるのは、最高裁が出した判例を変更する場合などに限られる。
 再び審理することで、大法廷が1995年に合憲とした判例を見直し、違憲と判断する可能性が高まったといえる。
 明治時代に制定された民法は戦後大幅に改正されたが、相続規定は維持されてきた。
 出生総数に占める婚外子の割合は年々高まっている。結婚していないという理由で、子どもの人権が侵害されていいはずがない。
 事実婚、シングルマザーの増加など、家族の形態は変わり、国民意識も多様化している。こうした現実を踏まえれば、妥当な対応だ。
 婚外子の遺産相続をめぐっては、判断が揺れ動いていたといえる。
 大法廷が合憲として以降、判例が踏襲されてきた。だが、その後の裁判では、合憲とする一方で、規定の問題点を指摘する声が相次いだ。
 95年の大法廷でさえ、合憲とした裁判官10人のうち4人が補足意見などで疑問を呈していた。違憲となってもおかしくなかったとされる。
 2011年には、大阪高裁が「子の法律上の取り扱いを区別することは、本人の意思で左右できず、差別を助長する」との決定を下し、そのまま確定している。
 事実上、判断が分かれる形になったのである。
 婚外子の相続規定について海外からの批判は強い。欧米では相続の平等化が進んでいるからだ。
 国連子どもの権利委員会などから、国際的にもまれな婚外子差別の法改正を求める勧告が繰り返し出されている。この重みをもっと真剣に考える必要がある。
 それを受け止めるのは、立法府である国会の役割だ。
 法務省は10年、嫡出子と婚外子との遺産相続分を平等とする民法改正案をまとめた。
 ところが、もう一つの柱である夫婦別姓制度導入をめぐって、当時の与党内の意見が対立し、婚外子差別撤廃の是非まで議論が進まなかったのである。
 同様の法案要綱は1996年にも国会に答申されていたにもかかわらず、改正への道筋はいまだに見えない。これでは国会が機能を果たしているとは言い難い。
 少数の権利を擁護し、救済していくには政治の力が必要だ。放置し続けることは、怠慢以外の何ものでもないだろう。
 次は国会の番である。政府には相続差別の規定を早急に改正するよう強く求めたい。




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