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2015 / 12 / 10 ( Thu )
婚外子の記載/こんな区別はいらない
2013年10月10日 朝日新聞社説
 
「嫡出(ちゃくしゅつ)子」か「嫡出でない子」か。子どもの出生を届け出るには、出生届でいずれかに印を入れなければならない。
 これを拒んだ東京都世田谷区の事実婚の夫婦が起こした裁判で、先週、最高裁が判断を示した。嫡出子かどうかの記載を義務づける戸籍法の規定は合憲だが、事務処理上、不可欠とはいえないとした。
 法務省も区別は不要だと認め、次の国会に戸籍法改正案を提出する方針だ。国会はすみやかに改正すべきである。
 「正妻が産んだ」「正統な」を意味する「嫡出」。原告夫婦は、05年に生まれた次女を「正統でない子」として届ける気持ちにどうしてもなれなかった。 この部分を空欄にした出生届を区が受理せず、次女の戸籍、住民票も作られなかったため、裁判に救済を求めた。
 出生届を出す側にとってこの欄が重い意味をもつのは、婚外子に差別が向けられてきた現実ゆえだ。
 原告の男性は「出生届は人生最初の公的な書類。社会の成員となるスタートラインなのに、明らかな差別がある」という。
 婚外子だとわざわざ明らかにしなければならないことに抵抗を感じながら、やむをえずこの欄を埋めて提出した人も少なくないだろう。
 シングルマザーで子育てする人、夫婦別姓が選べないため事実婚の形をとる人。さまざまな家族のかたちがある。どんな状況で生まれても、「正統でない存在」などないのは当然だ。
 そもそも婚外子かどうかは、親に書かせるまでもなく、出生登録を担う自治体が親の戸籍を確認すればわかる。判決の補足意見も、そう指摘している。親を不必要に悩ませる出生届の書式は、とっくに見直されているべきだった。
 歴史をさかのぼれば、両親が法律上の夫婦だったかどうかは、その子どもの国籍や相続に影響を与えてきた。
 最高裁は08年、婚外子の国籍取得を制限した国籍法の規定を違憲だと判断し、日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれ、父に認知された婚外子の日本国籍を認めた。相続についてはこの9月、婚外子と婚内子で差をつける民法の規定を違憲と判断している。
 出自による差別をなくす。遅すぎたとはいえ、そんな司法判断が積み重ねられてきた。
 国会内には「法律婚を尊重すべきだ」とする議員も少なくないが、家族それぞれの事情や考え方を尊重する立場から、救済を急いでほしい。
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