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人権の法制度を提言する市民会議
2006 / 12 / 21 ( Thu )
人権の法制度を提言する市民会議(略称:人権市民会議)が、

http://www.geocities.jp/mkaw8/hrcc/

『日本における人権の法制度に関する提言』を2006年12月5日に公表した。

4-2. 人権の法制度に関する基本的課題
 4-2-1. 人権を侵害する法や制度の改廃に関する提言
婚外子の相続分を差別している民法、あるいは外国人差別の一因となっている出入国管理及び難民認定法や外国人登録法など、それ自体が人権を侵害し、または差別を引き起こしている法律について精査し、必要な改廃措置を講じるべきである。また、女性差別・部落差別・婚外子差別などを助長している戸籍制度について、抜本的な見直しを行うべきである。加えて、人権救済を困難にしている行政及び司法上の法制度や慣行を洗い出し、適切な修正・変更を加えるべきである。

【解説】
  人権侵害や差別の救済については、個別的な事案を解決することも重要ですが、それらを生み出している根源的な要因を取り除くことも不可欠です。その一つの方策が、人権侵害の原因となっている法律や制度を根本的に改廃することです。これを行わなくては、個別的な事案をいくらその場で救済していっても、根本的な解決にはつながりません。
  では、具体的にどのような法制度が問題となるのでしょうか。これについては、それぞれの人権分野において、当事者団体などから数多くの問題のある法制度が指摘されています。提言の中では、いくつかの代表例に絞って例示しましたが、これらはあくまで例示であって、わたしたちが問題視している法制度が、ここに挙げられたものに限られるわけではありません。
  提言でまず取り上げたのは、婚外子の相続分差別規定です。民法900条4号但書では、「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1」と定められ、法律婚関係にある男女の間に生まれた子どもと、法律婚関係にはない男女の間に生まれた子ども(婚外子)の間で、相続分に格差を設けています。この規定が設けられた理由は、民法の法律婚主義を守るためであると説明されていますが、しかしながら、子どもにとっては、自分の親が法律婚の関係にあるかないかは、直接的に関与できない問題であり、不当な差別であるといえます。そのため、国際的に見ても、多くの国で婚外子の相続分差別規定は廃止されており、現在でもこうした規定を有するのは、日本とフィリピンの2ヵ国のみです。
  さらに問題なのは、こうした規定の存在が、婚外子に対する社会的な差別の原因になっているということです。相続分が法的に差別されているということは、換言すれば、国家が公的に婚外子の存在を否定的に見ているということであり、それが社会に根づく婚外子差別を固定化し、正当化することにつながっているのです。その結果として、婚外子に対する蔑視や侮辱、あるいは就学、就職、結婚などにおける差別を助長することにもなります。このような状況を改善するためには、婚外子への差別を個別的に救済するのみではなく、その淵源となっている相続分の差別規定を廃止することが欠かせないのです。
……中略……
また、複数の人権問題の原因となっている法制度もあります。その代表例が明治以来の戸籍制度です。明治政府は、国民を家単位で管理しようとし、そのために家ごとに戸籍をつくらせ、戸籍によって出生、婚姻、死亡などの個人情報を管理しようとしました。こうした制度は、世界的にも希有なものですが、個人主義を採用した現行憲法のもとでも、この戸籍制度は維持され、現在に至っています。そのため、女性は戸主である夫や父親に従属するものという意識がいまでも残存し、女性の地位向上を妨げるひとつの原因となっています。また、先に挙げた婚外子差別も、家を単位として個人を管理しようとする発想から生まれるものです。戸籍制度においては、法律婚関係にある男女のみが正当な家を形成することができ、戸籍を持つことができます。それゆえ、婚外子は、戸籍制度から外れた者と考えられ、それが法的・社会的な差別を生み出す一因となったのです。
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