誰が、何のために「家族」の価値の尊重を求めているのか?
2006 / 02 / 23 ( Thu ) 誰が、何のために「家族」の価値の尊重を求めているのか?
家制度を基盤とする天皇制国家大日本帝国が先の大戦を引き起こしたという反省に立って、基本的人権の尊重と平和主義を理念とする現行憲法が制定された。 1947年戦後の民法大改正時に「婚外子差別は女性の地位向上」「婚外子の相続権を認めるな」と、初の女性国会議員が全員婚外子差別強化を要求した。 「女」は憲法の要請する個人の尊重より婚姻家族の優先を求めた。結果、本来家制度の残滓にしかすぎない婚外子差別が、法律婚の尊重という趣旨にすり替えられて維持された。戦後民主主義社会にふさわしい民法を作るその時に、「女」が基本的人権の尊重と平和主義という憲法の理念、柱を折るかたちになった。 その後女達は、そして女性運動は婚外子差別について、どのようにふるまってきたのか。女達はこの問題をどう語ってきたのか。確固とした差別撤廃の理念を持つことはできたのか。婚外子差別問題が女性差別の根幹に関わる、女性に対する性的支配の問題であることは理解されているのか。妊娠し出産するという女性の絶対的人権に対する侵害であるという認識を持っているのか。婚外子差別の実態が当事者の全人格を毀損する深刻な様態であることを知っているのか。これらの認識を共有化するための実践的取り組みはなされてきたのか。 そして今、24条の見出しは「個人の尊厳と両性の平等」から「婚姻及び家族に関する基本原則」に書き換えられようとしている。 民法改正について、夫婦別姓(法律婚の妻の権利拡大)は言えても婚外子相続分差別については大きな声にならない現状がある。男女共同参画基本行動計画においても、婚外子相続分差別の撤廃は抜け落ちている。 あなたは妻の権利として婚外子差別を正当化する友人知人に「その考えは憲法違反」だと説得的に説明できるのか。 おそらくは嫡出子であるあなたが、婚外子差別を克服することなしに、どうして「個人の尊重」を望んだり、基本的人権の尊重を求めたり出来るのか。 戦争ができる国の土台として「家族」の復活が画策される今こそ、相続分差別撤廃に止まらず、現行憲法の理念に背く嫡出概念は廃棄されなければならない。
婚外子差別に謝罪と賠償を!(裁判情報) |
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