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婚外子差別に謝罪と賠償を!
2005 / 11 / 26 ( Sat )
婚外子差別に謝罪と賠償を!

国、千代田区、福岡市、大阪市を2005年1月24日提訴(本人訴訟)

(1) 国、各自治体は婚外子の続柄差別を維持する旨の文書を送付したことに対して、慰謝料を支払え。
(2) 今後も続柄差別が維持される限り、プライバシーの侵害について損害賠償せよ。
(3) 国、各自治体はホームページに謝罪文を掲載せよ。

2004年11月1日に婚外子を戸籍記載で明瞭に差別するための「男・女」という続柄は、戸籍法施行規則の雛形から消除されました。その結果、婚外子の続柄は「申し出」さえすれば、「長男・長女」式に改められ、差別記載がなくなると広く誤解されています。

しかし、実際は「現行の除籍されていない戸籍」以外の生まれてからの全ての戸籍の続柄の差別記載はそのままです。法務省の要求する「申し出」を婚外子本人の負担で行っても、「申し出」は拒否されます。その上、この差別記載は本人死亡後も80~100年維持されます。かつて婚外子に対する相続差別をおこなっていた国でも、公的身分証明において続柄差別記載のような明示的差別をする例はありません。

第五回公判で、被告国が婚外子差別を正当化する根拠として、「正当な婚姻関係によって形成された家族の保護は、憲法上の要請である」(1993年国際人権自由権規約日本国審査での政府発言)という誤った憲法解釈をしていることを指摘しました。被告国が永年行ってきた誤った憲法解釈による婚外子に対する行政裁量は当然違憲、違法です。

第六回口頭弁論(被告側反論) 於東京地方裁判所
2月3日(金) 午後1 時30分705法廷

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原告側 準備書面(2)
2005 / 11 / 26 ( Sat )
原告側 準備書面(2)

クリックするとPDFが表示されます。

・はじめに/第1 「第4 3008号通達の対象について」について
  その1
  その2・その3
  小括
第2 被告国等の婚外子差別を正当化する感覚とその結果
第3 婚外子続柄差別記載について
第4 民法と戸籍について
第5 婚姻届について
第6 出生届について
第7 婚外子の名誉について
・第8 判決の理解について
  その1 最高裁平成7年7月5日大法廷決定について
  その2 いわゆる住民票続柄裁判について
  その3 いわゆる戸籍続柄裁判について
  その4 国際条約について
  その5 プライバシーについて
第9 まとめ
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婚外子差別に謝罪と賠償を!
2005 / 11 / 20 ( Sun )
婚外子差別に謝罪と賠償を!

国、千代田区、福岡市、大阪市を2005年1月24日提訴(本人訴訟)

(1) 国、各自治体は婚外子の続柄差別を維持する旨の文書を送付したことに対して、慰謝料を支払え。
(2) 今後も続柄差別が維持される限り、プライバシーの侵害について損害賠償せよ。
(3) 国、各自治体はホームページに謝罪文を掲載せよ。

2004年11月1日に婚外子を戸籍記載で明瞭に差別するための「男・女」という続柄は、戸籍法施行規則の雛形から消除されました。その結果、婚外子の続柄は「申し出」さえすれば、「長男・長女」式に改められ、差別記載がなくなると広く誤解されています。
しかし、実際は「現行の除籍されていない戸籍」以外の生まれてからの全ての戸籍の続柄の差別記載はそのままです。法務省の要求する「申し出」を婚外子本人の負担で行っても、「申し出」は拒否されます。その上、この差別記載は本人死亡後も80~100年維持されます。かつて婚外子に対する相続差別をおこなっていた国でも、公的身分証明において続柄差別記載のような明示的差別をする例はありません。

第四回公判で、被告国等は「国籍及び身分事項を証明する必要がある場合においては、本人の現在の戸籍を利用することで足りる」ので除籍についてまで差別記載を撤廃する必要はないと主張しました。しかし、離婚・養子離縁等で本人が従前の戸籍(親元の戸籍等)に戻った場合に「除籍された戸籍」と「現行の戸籍」が併記されますので差別のある続柄は「現在の戸籍」に残ります。被告国等は上記の例を知らなかったのであれば拙劣な通達を出したことになり、知っているにも関わらず強弁したのであるなら悪辣です。

第五回 口頭弁論(原告側反論) 於 東京地方裁判所
11月25日(金)午前11時30分 705法廷

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国側主張に対する反論
2005 / 11 / 20 ( Sun )
国側主張に対する反論

国側は前回(第四回)公判において、続柄差別の撤廃を現在の戸籍に限定した理由を「事件本人の国籍及び身分事項を証明する必要がある場合においては、通常事件本人の現在の戸籍を利用することで足りる」とする虚偽ともとれる陳述をしました。(養子離縁・離婚などで従前の戸籍に戻った場合には、現在の戸籍に差別記載が残ることがあります。)

また、過去の戸籍から差別記載を撤廃することによって発生する行政上の不都合については、なんら具体的な事柄(パスポートの発給に差し支える等)を例示出来ませんでした。

その一方、過去の戸籍まで更正すると事務量が膨大になり戸籍事務に支障がでるなどという主張をした。「申し出制」による記載の更正なので、事務量膨大などまったく信じられません。第一その事務に支障がでるほどの膨大な差別記載を今まで維持してきたのは、国側です。

国側は行政裁量で続柄差別撤廃の範囲等を決めることが出来るなどと主張しています。しかし、行政の裁量権はその目的を逸脱できない趣旨の最高裁判例があります。

では、婚外子戸籍続柄差別撤廃の目的は何でしょうか?

2004(平成16)年3月9日(火)野沢法務大臣閣議後記者会見で以下のように答えています。

Q:そういう方向性(続柄差別の撤廃)を決めるに至った理由について,大臣はどのように考えていらっしゃいますか。

A:これは,国民の皆様からの御要請が第一にありますし,人権といいますか,生まれた子供たちにはいずれも差別があってはならないわけですから,その基本に立って議論を進めたということです。それから,国際的にも差別をしていないところが段々多くなっているということもございます。

時の法務大臣は「人権の基本」に立つと明言しています。「人権の基本」に立つなら婚外子当事者の全ての戸籍から差別記載が撤廃されるべきです。


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訴状
2005 / 11 / 20 ( Sun )
東京地方裁判所御中

訴   状


〒000-0000  東京都○○区○○町×-×-×
原告  ★★★★
電 話 03-○○○○-○○○○
〒100-0000 東京都千代田区×××番

被告            国
右代表者法務大臣      南野 知恵子
電話  03-○○○○○-○○○○○

〒100-0000 東京都■■区×××番
被告           東京都■■区
右代表者区長        石川 雅巳
電話  03-○○○○-○○○○

〒800-0000 福岡市中央区××××番
被告           福岡市
右代表者市長       山崎 広太郎
電話 092-○○○-○○○○

〒500-0000 大阪市北区×××番
被告           大阪市
右代表者市長       關  淳一
電 話 06-○○○○-○○○○

損害賠償等請求事件

      訴訟物の価額  金649万円
      貼用印紙額  金36,000円

 請求の趣旨

1 被告国及び被告東京都■■区は、原告に対し、連帯して、金150万円及びこれに対する訴状送達の翌日から支払済までに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

2 被告国及び被告東京都■■区は、原告に対し、連帯して、平成16年11月18日から訴状(甲第1号証-2)の除籍の原告の続柄欄の記載が「女」から「長女」に変更される日まで1日あたり金1万円の割合による金員を支払え。

3.被告国及び被告福岡市は、原告に対し、連帯して、金150万円及びこれに対する訴状送達の翌日から支払済までに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

4.被告国及び被告福岡市は、原告に対し、連帯して、平成16年11月18日から訴状(甲第2号証-2)の除籍の原告の続柄欄の記載が「女」から「長女」に変更される日まで1日あたり金1万円の割合による金員を支払え。

5.被告国及び被告大阪市は、原告に対し、連帯して、金150万円及びこれに対する訴状送達の翌日から支払済までに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

6.被告国及び被告大阪市は、原告に対し、連帯して、平成16年11月23日から訴状(甲第3号証-2)の除籍の原告の続柄欄の記載が「女」から「長女」に変更される日まで1日あたり金1万円の割合による金員を支払え。

7.被告等は婚外子の人権を軽視し、婚外子に対する続柄差別記載がプライパシー侵害と判示された後も差別記載を維持しようとしたこと、また婚外子の続柄について差別記載を維持することによって婚外子に対する不当な就学、就職、結婚等の社会的差別を助長したことを謝罪し、被告等のホームページ上に別紙の謝罪文を掲載せよ。  

訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決及び、第1項ないし第6項につき仮執行宣言を求める。



請求の原因

一 原告は父◇◇◇◇と母△△△△の婚外子として××××年××月××日大阪市において出生した。

二 不法行為事実

1. 原告は2004(平成16)年11月1日、東京都■■区を本籍地とする自己の現行戸籍及び除籍について、婚外子のプライパシー侵害と判示された戸籍続柄の差別記載が「申し出」によって撤廃されると知り、■■区の窓口に、「女」を「長女」にするよう「申し出」をした。
現行戸籍については「申し出」が受け入れられたが、除籍(甲第1号証-2)については原告の「申し出」にもかかわらず■■区は拒否した。また、■■区はその旨の11月17日付けの文書(甲第1号証-1)を原告あてに送付した。
「申し出」が拒否されたこと、並びに差別記載が今後も維持され、プライバシーが侵害され続ける事を知ったことによって受けた原告の精神的苦痛に対して、損害賠償金ならびに慰謝料を請求する。

2. 被告国及び被告東京都■■区は、原告に対し、連帯して、平成16年11月18日から訴状(甲第1号証-2)の除籍の原告の続柄欄の記載が「女」から「長女」に変更される日まで1日あたり金1万円の割合による金員を支払え。

3. 原告は2004(平成16)年11月1日、福岡市●●区を本籍地とする自己が在籍した○○○○を筆頭者とする現行戸籍について、婚外子のプライパシー侵害と判示された戸籍続柄の差別記載が「申し出」によって撤廃されると知り、福岡市●●区に郵送で、「女」を「長女」にするよう「申し出」をした。
○○○○を筆頭者とする現行戸籍(甲第1号証-2)について原告の「申し出」にもかかわらず福岡市●●区は拒否した。また、福岡市●●区はその旨の11月17日付けの文書(甲第2号証-1)を原告あてに送付した。
福岡市中央区にある★★★★が除籍された戸籍は○○○○にとって現行の戸籍である。○○○○が自己の意志で戸籍謄本を取得し、開示し、そのことによって原告のプライバシーが侵害されることを原告★★★★は阻止できない。
「申し出」が拒否されたこと、並びに差別記載が今後も維持され、プライバシーが侵害され続ける事を知ったことによって受けた原告の精神的苦痛に対して、損害賠償金ならびに慰謝料を請求する。

4. 被告国及び被告福岡市は、原告に対し、連帯して、平成16年11月18日から訴状(甲第2号証-2)の原告が除籍された現行戸籍に記載されている原告の続柄欄の記載が「女」から「長女」に変更される日まで1日あたり金1万円の割合による金員を支払え。

5.原告は2004(平成16)年11月1日、大阪市▲▲区を本籍地とする自己が在籍した母△△△△を筆頭者とする現行戸籍について、婚外子のプライパシー侵害と判示された戸籍続柄の差別記載が「申し出」によって撤廃されると知り、大阪市天王寺区に郵送で、「女」を「長女」にするよう「申し出」をした。
母△△△△を筆頭者とする現行戸籍(甲第3号証-2)について原告の「申し出」にもかかわらず大阪市▲▲区は拒否した。また大阪市▲▲区、はその旨の11月22日付けの文書(甲第3号証-1)を原告あてに送付した。
大阪市▲▲区にある原告★★★★が除籍された戸籍は母△△△△にとって現行の戸籍である。母△△△△が自己の意志で戸籍謄本を取得し、開示しそのことによって原告のプライバシーが侵害されることを原告★★★★は阻止できない。
「申し出」が拒否されたこと、並びに差別記載が今後も維持され、プライバシーが侵害され続ける事を知ったことによって受けた原告の精神的苦痛に対して、損害賠償金ならびに慰謝料を請求する。

6. 被告国及び被告大阪市は、原告に対し、連帯して、平成16年11月23日から訴状(甲第3号証-2)の原告が除籍された現行戸籍に記載されている原告の続柄欄の記載が「女」から「長女」に変更される日まで1日あたり金1万円の割合による金員を支払え。

7.東京地裁平成11年(ワ)第26105号戸籍続柄記載訂正等請求事件(判決2004年3月2日)において「婚外子は、(中略)就学、就職及び結婚等の社会関係において今なお看過し難い不利益な取扱いを受けているところ、社会生活においては、多くの場面において戸籍の謄本の提出が求められることがあり、その戸籍の記載によって婚外子であることが判明し、差別等が助長されることが認められる。」といい、続柄の差別記載が社会的差別を助長することを判決は認めた。
にもかかわらず、被告等は原告の「申し出」を拒否し、プライバシー侵害と判示された婚外子に対する続柄の差別記載を維持した行為は原告のプライバシー権の侵害であり、不法行為である。

8.法務省は「嫡出でない子の父母との続柄改善の骨子」で「…前略…現行の続柄欄の記載は,戸籍制度の目的との関連で必要性の程度を越えており,プライバシー権を害しているとの判断が示されました。そこで,行政上の配慮として,非嫡出子の続柄欄の記載方法を嫡出子と同様の記載とする改善を図ることとしたものです。」という。
ところが上記の趣旨を実行するために出された、2004(平成16)年11月1日に示された、戸籍法施行規則の一部を改正する省令に伴う、法務省民―第3008号通達は極めて杜撰であり、拙速であり不十分なものである。この通達は婚外子本人が戸籍を特定し「申し出」をしても、現行の除籍されていない戸籍以外の除籍等については「申し出」を拒否するという内容を持つものである。その結果、原告の戸籍続柄の差別記載が維持され、よってプライバシーの侵害状況が維持され、引いては不法行為が継続されるという拙劣なものである。
法務省がこのような事態を招き、それを放置することは不作為であり不法行為である。

9.東京都■■区、福岡市、大阪市の各自治体が、原告の「申し出」を拒否した理由は、2004(平成16)年11月1日に示された、戸籍法施行規則の一部を改正する省令に伴う、法務省民―第3008号通達を根拠とするものである。各自治体が法務省民―第3008号通達に従った結果、今もなお原告のプライバシー侵害状況は継続している。
  これは原告に対する、国と各自治体の共同不法行為である。

10.法務省は民―第3008号通達によって、原告の関連する戸籍における続柄の差別記載を維持し、原告のプライバシーを今後も侵害し続けることを決定した。
  戸籍はその戸籍に記載されている全員が死亡などで除籍された後も、紙戸籍は80年、電算化された戸籍は100年間、除籍簿として保存される。
よって、被告等の不法行為の結果として原告のプライバシー侵害状況は、80~100年以上の長期間に渡ることが予想され、その精神的苦痛は甚大であり、また日々増大してゆくと言わざるを得ない。原告の被るプライバシーの侵害と精神的苦痛に対して、損害賠償金ならびに慰謝料を請求する。

11. 2004年11月1日に法務省は「申し出」によって婚外子の続柄を「男・女」から「長男・長女」式に改めることを公表した。これを知った原告は自身の出生から関連する全ての戸籍の続柄の差別記載の撤廃を各自治体に「申し出」た。しかし、「申し出」は拒否され、原告の出生時の戸籍、前婚の戸籍、離婚後の除籍について、差別記載を維持するとの回答を被告等より得た。
法務省はパブリックコメントの結果として『対象となる戸籍(除籍等も含める。)』という意見のあることを公表しながら、除籍等については差別記載を維持する決定をした。これは法務省が戸籍における続柄差別記載が婚外子に対する社会的差別を助長するとした地裁判決を真摯に受け止めていないという証明である。
同時に、被告等が今後も婚外子のプライバシーを侵害し続け、よって婚外子に対する不当な就学、就職、結婚等の社会的差別を続柄の差別記載により助長し続けるという宣言でもある。
法務省は上記通達に関わる出生届の様式の変更についても徹底せず、ホームページ上に差別記載のある旧様式の出生届を掲載していることが2005年1月19日に報道された。各自治体においても、出生届の様式改善は極めて不十分である。(甲第4号証)これは被告等が婚外子の人権を軽視していることの証明である。
被告等が婚外子の人権を軽視していることは、被告等の人権白書、人権指針等において婚外子に対する社会的差別を個別人権課題として取り上げていないことからも明らかである。
同時に婚外子差別を個別人権課題として取り上げないのは、相続における補助規定の区別があることを理由に、常時戸籍続柄の差別記載を行い、結果社会的差別を助長した責任が明白になることを恐れる法務省の自己保身である。
当たり前ではあるが、相続分差別が容認されるとしても、婚外子に対する社会的差別はまったく許されない。
また、国連から婚外子差別の撤廃について再三にわたって勧告されながら被告等は「人権教育のための国連10年」の行動計画において取り上げなかった。そればかりか、2004年度の終了後にそれに代わるものを策定中であるが、その中にも婚外子を取り挙げる考えはないという。そのことからも、被告等が自己保身のために婚外子に対にする人権啓発を行わず、プライバシー侵害を継続し、社会的差別を温存しようとする意志を有することはより一層明白である。
被告等が婚外子の人権を軽視し、婚外子に対にするプライバシー侵害と社会的差別を温存しようとする意志を有することを知った、原告の精神的苦痛は甚大であり、また日々増大してゆくと言わざるを得ない。原告の被る精神的苦痛に対して、損害賠償金ならびに慰謝料を請求する。
また、被告等は婚外子の人権を軽視し、婚外子に対するプライバシー侵害と社会的差別を維持したことを謝罪し、被告等のホームページ上に別紙の謝罪文を掲載するのが相当である。  
以上の被告等の行為は国家賠償法1条1項の違法行為というべきである。

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原告側 準備書面(1) 2005年7月7日付
2005 / 11 / 20 ( Sun )
第1 はじめに

1 事案の概要
  被告国等は被告側準備書面(1)の第2において、「民法は、子が嫡出か嫡出でないかによって、権利義務関係に差異がある。」ことを戸籍続柄の差別記載の正当性の根拠にしたいようである。しかし、2004(平成16)年11月1日以降民法の規定に関わりなく続柄差別記載の根拠とされた雛形は消除され、差別記載そのものが法的根拠を失っているのである。また、そもそも民法においては扶養義務の存否などは嫡出子と婚外子の区別を設けていないのである。

しかるにことさら、婚外子相続分差別などを持ち出し自ら撤廃した差別記載の正当性を言うなど徒に裁判を混乱させかねないと言うほかない。また、東京高等裁判所平成17年3月24日判決を言うがその判決においても、一審東京地方裁判所平成16年3月2日判決の「「婚外子は、(中略)就学、就職及び結婚等の社会関係において今なお看過し難い不利益な取扱いを受けているところ、社会生活においては、多くの場面において戸籍の謄本の提出が求められることがあり、その戸籍の記載によって婚外子であることが判明し、差別等が助長されることが認められる。」という事実認定は否定されていない。上記の事実認定を受け入れた故に法務省は差別記載の雛形を消除したのである。仮にこの事実認定を否定するのであれば、法務省は故なく規則を改変したという非難を免れない。

よって、原告は今一度事実関係を整理しその後の経過等を補足し改めて事案の概要を述べ、その余の主張をするところである。

2004年3月2日の平成一一年(ワ)第二六一〇五号 戸籍続柄記載訂正等請求事件の判決後、プライバシー権の侵害を避けるために、法務省は規則改正作業に着手し、2004年1月1日に婚外子の父母との続柄を「男」「女」とする戸籍法施行規則の雛形を消除した。
また、併せてすでに差別記載のある婚外子の続柄について「申し出」によって、更正、再製するとした。
 原告は
①本籍東京都■■区×××番筆頭者□□□□の現行戸籍
  ②本籍東京都■■区×××番筆頭者原告の除籍された戸籍
  ③本籍福岡市●●区×××番筆頭者○○○○の現行戸籍
  ④本籍大阪市▲▲区×××番筆頭者△△△△の現行戸籍
の父母との続柄を「女」から「長女」とすることを「申し出」た。①については受け入れられたが、②③④については拒否された。
婚外子の戸籍続柄について、東京地裁平成11年(ワ)第26105号戸籍続柄記載訂正等請求事件(判決2004年3月2日)において「婚外子は、(中略)就学、就職及び結婚等の社会関係において今なお看過し難い不利益な取扱いを受けているところ、社会生活においては、多くの場面において戸籍の謄本の提出が求められることがあり、その戸籍の記載によって婚外子であることが判明し、差別等が助長されることが認められる。」といい、続柄の差別記載が社会的差別を助長することを判決は認めた。

法務省は雛形を削除する理由として、上記判決を受け入れ、従来の婚外子の続柄が差別的であることを認め、差別の撤廃を表明している。婚外子のプライバシーを侵害し不適切であるという法務省の判断によって婚外子に対する続柄差別記載の根拠とされた雛形は2004年11月1日に削除された。

戸籍記載の根拠とされる雛形が削除されたのであるから、その雛形による記載も法律上戸籍に記載することができない事項に該当すると判断すべきである。その不適切な記載が原告の関連する戸籍に維持されることによって発生する損害に対して、謝罪と賠償はなされて当然である。

法務省ホームページ上の平成16年3月9日(火)野沢法務大臣(当時)閣議後記者会見の概要で明らかなように「人権の基本に立って」議論をすすめた結果、婚外子に対する「差別があってはならない」 ので、「男・女」という雛形が削除されたのである。

平成16年3月9日(火)野沢法務大臣閣議後記者会見の概要は以下のとおりである。
Q:変えることを決めたということでよろしいでしょうか。
A:昨日の決算委員会での答弁どおり,その方向で検討するということです。

Q:具体的には,国会のどこの場で議論することになりますか。
A:規則ですので,法務省だけでできます。

Q:そういう方向性を決めるに至った理由について,大臣はどのように考えていらっしゃいますか。
A:これは,国民の皆様からの御要請が第一にありますし,人権といいますか,生まれた子供たちにはいずれも差別があってはならないわけですから,その基本に立って議論を進めたということです。それから,国際的にも差別をしていないところが段々多くなっているということもございます。

また「国際的にも差別をしていないところが段々多くなっている」と言うが、もはや婚外子の相続分差別を残す国は日本とフィリピンのみである。これは国連に結集する世界各国が、市民的及び政治的権利に関する国際条約(国際人権自由権規約)、経済的社会的及び文化的権利に関する国際条約(国際人権社会権規約)、子どもの権利条約、女子にたいするあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女子差別撤廃条約)を批准し、それらの条約がいずれも婚外子差別を出生による差別として禁止しているからである。通常条約を批准すると締結国の義務として国内法を条約に適合させるので、世界中で婚外子差別は撤廃されたのである。しかるに、日本国は条約を批准しながら婚外子差別の法制度を撤廃せず締結国の義務をはたそうとしないので、厳しい勧告を各条約委員会より受けている。

市民的及び政治的権利に関する国際規約(日本国報告書審査1993年)
C.主な懸念事項及び勧告
11.当委員会は、婚外子に関する差別的な法規定に対して、特に懸念を有するものである。特に、出生届及び戸籍に関する法規定と実務慣行は、規約第17条及び第24条に違反するものである。婚外子の相続権上の差別は、規約第26条と矛盾するものである。

国連子どもの権利委員会 第18会期(1998年)
国連・子どもの権利委員会の総括所見:日本(第1回)
C.主な懸念事項
7.委員会は、子どもの権利に関する条約が国内法に優位しかつ国内の裁判所で援用できるとはいえ、実際には、裁判所が国際人権条約一般およびとくに子どもの権利条約を判決の中で直接適用しないのが通例であることに、懸念とともに留意する。

14.委員会は、法律が、条約により規定された全ての理由に基づく差別、特に出生、言語及び障害に関する差別から児童を保護していないことを懸念する。委員会は、婚外子の相続権が嫡出子の相続権の半分となることを規定している民法第900条第4項のように、差別を明示的に許容している法律条項、及び、公的文書における法律婚による出生でない記載について特に懸念する。委員会は、また、男児(18歳)とは異なる女児の婚姻最低年齢(16歳)を規定している民法の条項を懸念する。

次に、平成16年6月11日に法務省が行った、嫡出でない子の「父母との続柄」欄の記載方法の改善に関する意見募集における説明でも

1  背景
 東京地方裁判所平成16年3月2日判決において,戸籍においては,嫡出子と非嫡出子とが明確に判断できるように記載することが要請されているが,国民のプライバシー保護の観点から,その記載方法は,プライバシーの侵害が必要最小限になるような方法を選択し,非嫡出子であることが強調されることがないようにすべきであり,現行の続柄欄の記載は,戸籍制度の目的との関連で必要性の程度を越えており,プライバシー権を害しているとの判断が示されました。そこで,行政上の配慮として,非嫡出子の続柄欄の記載方法を嫡出子と同様の記載とする改善を図ることとしたものです。

というように、プライバシーの侵害をなくすための行政上の配慮の必要性を認めている。

そして、2005年3月24日の前記裁判の控訴審判決後も、従来の「男・女」という続柄がプライバシー保護について不適当であるという法務省の認識は変更されていない。

これは戸籍続柄裁判に先行する、住民票続柄裁判 東京高裁判決(1995年 3月22日)「取消請求-訴えの利益無し、国家賠償請求-処分は憲法違反、市長の過失無し」(判例時報1529号29頁)においても、「非嫡出子は、非嫡出子という本人に選択の余地のない出生により取得した自己の属性(社会的身分)により修学及び結婚などの社会関係において深刻な不利益扱いを受けている実態のあることが、いずれも認められる。このような実状、実態の存在するもとでは、本件住民票における嫡出子との差別記載は合理性、必要性がない限り許されないものと言わなければならない。」と判示されたことに由来するものである。

また、同判決は原告在住自治体に関する部分で「被控訴人市長は、民法が嫡出子と非嫡出子とで親族、相続上の権利義務に差異を設けている以上、戸籍における嫡出子と非嫡出子との区別記載との照応性には合理性があると主張するが、戸籍上嫡出子と非嫡出子との区別記載が許されるかの点についても問題の存するところである」としている。

婚外子に対する社会的差別のあるなか、国民の身分を公証するという公的書類における婚外子に対する差別記載が婚外子に対する社会的差別の肯定として一般的に理解され、差別を助長することは容易に認識できる。同判決においては住民票差別記載の根拠とされた戸籍続柄差別記載の問題性についても指摘がなされているので、少なくともこの時点から法務省は戸籍続柄差別記載について、婚外子に対する社会的差別の助長は許されないという婚外子の人権の尊重という視点で検討する責任を負ったのである。

このことは、第162回 - 衆議院 - 法務委員会 - 8号 平成17年03月30日における小林千代美代議士に対する、法務省の答弁によっても明らかである。

○寺田 逸郎政府参考人(法務省民事局長)戸籍全般にプライバシーの問題というのは非常に重要になってきておりますし、個人情報の保護という意味でも、従来とは違った感覚でやっていかなきゃならないだろうと思いますので、これは今後も私ども十分に、いろいろな具体的な取り扱いの面で見直しをする必要があるのかもしれません、これは制度上の問題ではなくて。その点は御指摘のとおり十分配慮をいたしたいと思っております。

○寺田政府参考人 これは、非嫡出子の表記をどのようにするかということがかねてから問題になっておりまして、平成十六年、昨年の三月二日に東京地裁で、この点が争点になっていた事件について判決が出ました。その判決においては、嫡出でない子の戸籍の続柄欄の記載のあり方につきまして、従来のやり方では問題があるという御指摘が判決の中でされたわけであります。
 そこで、この記載でなければならないのかという問題意識もかねてから持っておりましたので、当事者の方々の御要望というものも十分にしんしゃくした上で、嫡出でない子の戸籍の続柄欄というものの記載を、従来のように男、女という形から長男、長女という形に改めたわけでございます。

○寺田政府参考人 先ほど大臣が申し上げたことは、プライバシーという憲法上の配慮から見て、それについての侵害に当たるかどうかという意味では、高裁の判決が現にあったように、それはプライバシーの侵害ではないということになりますが、ただ、プライバシーというものの侵害に当たらない場合であっても、そのプライバシーの観点も含めて見て適当か適当でないかという判断はあるわけでございます。
 戸籍は、先ほど申しましたように、最終的にその人の身分関係がわかるようにしなければならないわけでございますが、続柄欄に何も明らかに非嫡出子であるということを殊さら強調してわかるようにしておく必要がなくて、身分事項欄で総合してわかればいいという配慮もあるわけでございますので、そういうさまざまな配慮をした上で変更を決めた、こういうことになるわけでございます。

先の「嫡出でない子の「父母との続柄」欄の記載方法の改善に関する意見募集」の結果においても、
<意見>  対象となる戸籍(除籍等も含める。)は,すべて国が一律に更正を行うべきである。

「対象となる戸籍(除籍等も含める。)」
という意見を公表しているので、法務省は現行の本人が除籍されていない戸籍の続柄を変更するだけでは問題のある続柄の記載が残ることを認識している。

ところが、法務省は民―第3008号通達によって、原告の関連する戸籍における続柄について、原告のプライバシーの保護について問題があると自ら認識している「女」という続柄を今後も原告の関連する戸籍で維持し続けることになる通知をした。
2004(平成16)年11月1日以降に出生した婚外子は全ての戸籍に差別記載がなく、それ以前に出生した婚外子には差別記載が残る例がある。
すなわち、同じ婚外子であってもたまたま単数の戸籍しか持たない婚外子は問題のある「男・女」という続柄は全てなくなる。しかし、婚姻などで複数の関連する戸籍を持つ婚外子は問題のある続柄が残されることになる。本件の場合である。このような婚外子間の不平等について合理的な説明をすることは不可能であり、まったく許されない。

しかも、戸籍はその戸籍に記載されている全員が死亡などで除籍された後も、紙戸籍は80年、電算化された戸籍は100年間、除籍簿として保存される。これは、原告の名誉感情・自尊感情を無視する行為である。
 
また、③④の原告が除籍された戸籍は筆頭者にとって現行の戸籍である。筆頭者等が自己の意思で戸籍謄本を取得し、開示しそのことによって原告のプライバシーが侵害され、不適切な続柄記載が流出することを原告は阻止できない。プライバシー権には自己の情報を管理する権利も含まれるので、原告の続柄差別記載が放置された状態はプライバシーが流出していると評価しなければならない。また、③の筆頭者と原告は現在法的に赤の他人である。

ところで法務省は
第77回 - 衆議院 - 法務委員会 - 11号 昭和51年05月14日

○諫山博委員 戸籍法改正について質問します。なるべく私自身の見解を交えずに、この改正案が法律になったらどういう運用がされていくのだろうかということを中心に質問したいと思います。
 そこで、政府の提案理由説明の中でこの戸籍法改正は、個人のプライバシーを保護するために必要だということが言われています。一般的にこの改正をしなければどういうプライバシーがどういう方法で侵害されるのか御説明ください。

○香川政府委員 先ほど稲葉委員の御質問にもお答え申しましたとおり、戸籍は本来、人の身分関係を公証するためのものでございますので、それに必要な記載が当然されなきゃならぬわけでございますが、その中に、たとえばある子供が嫡出子であるか非嫡の子であるかということが明らかにされなければ、これは相続関係が違ってまいりますので、当然必要であるわけであります。それから認知の制度もあるわけでございまして、認知された場合に戸籍上そのことを明らかにしておかなきゃならぬということがございます。
 そういったいろいろの身分関係を明らかにする記載事頃それ自身は、法律上必要があって記載されておるわけでございますけれども、それが嫡出の子であろうと非嫡の子であろうと、そんなことは何ら人間としての価値には関係ないことでございますから、特に問題にすることではないと言えばそれまでなんでございますけれども、現実の社会におきましては、やはり非嫡の子であるということによっていろいろの、名誉の棄損とまではまいりませんけれども、プライバシーの侵害というような現象が起こることは、もう御承知のとおりだと思うのであります。そういったことから、一方で身分関係の公証制度としての戸籍の公開の原則は維持しながらも、そのことによる個人のプライバシーの侵害というものを、制度として防止する手だてを講じておくのは当然のことだろう、こういうふうなことで今回の改正を考えておるわけでございます。

という国会答弁にあるように、1976(昭和51)年の戸籍法改正時には婚外子の戸籍記載方法が婚外子のプライバシーの侵害につながることを意識していた。それならば法務省にはより一層慎重な行政の配慮義務が課せられたと言わざるをえない。

法務省が差別的で、不適切で、プライバシーの保護に問題のあると自ら認めた続柄の記載を結果として維持するばかりでなく、その流出の危機が懸念されることは原告の名誉感情・自尊感情を著しく傷つける行為であるばかりでなく、平穏な生活をするための精神の安定を妨げるという評価を免れず、憲法13条のいう幸福追求権を侵害し、原告に精神的苦痛を与えるので当然にも損害賠償義務が発生するのである。

民法においても扶養義務の存否などは嫡出子と婚外子の区別を設けていないのであるから、法、行政慣行等のあらゆる局面において差別されるいわれはない。行政の配慮とは行政府に無制限の自由裁量を許すものではない。
当然にも「憲法99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」によって制約される。

被告国等は婚外子相続分差別の合憲性を言うが、相続の補助規定において財産権が二分の一に制限されることをもって婚外子の人権の全てが二分の一に制限されているというような錯誤をしてはならない。当たり前にも、婚外子の相続分が二分の一であるから、行政の配慮も嫡出子の二分の一で足りるなどということはあってはならない。まして、結果として婚外子間に不平等を生じさせる法務省の民―第3008号通達は違憲、無効である。

また、国民各個人の身分関係を公証するのであれば、同一人について続柄に異同があるという不自然も解消されてしかるべきである。

通達第3008号によって、原告の関連する戸籍における続柄の差別記載が維持されることは、婚外子に対する社会的身分による差別であるばかりでなく、婚外子間にあっても結果として不平等が生じている。
雛形が削除され、法的に根拠を失った続柄差別記載が原告の関連する戸籍で維持されることは、嫡出子と婚外子間で不平等であるばかりでなく、関連する戸籍が単数しかない婚外子と複数ある婚外子間でも不平等である。原告は当裁判において、続柄差別記載の差し止めや更正を求めてはいない。被告国等が自身でプライバシーの侵害になり、不適切な記載であると認めた「女」という続柄の差別記載が維持され、しかもその記載は原告の死後も80~100年維持されるのである。このことに対して、原告が精神的苦痛を感じるのは当然であるので、謝罪と損害賠償を命じる判決を求めるところである。
原告側準備書面 | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
原告側 準備書面(1) 2005年7月7日付
2005 / 11 / 20 ( Sun )
2.婚外子差別とは何か。

先に原告は「被告国等は婚外子相続分差別の合憲を言うが、相続の補助規定において財産権が二分の一に制限されることをもって婚外子の人権の全てが二分の一に制限されているというような錯誤をしてはならない。」と述べた。ところが被告国等にはこの錯誤を犯したとせざるを得ない行為がある。

これは訴状の11.において「法務省は上記通達に関わる出生届の様式の変更についても徹底せず、ホームページ上に差別記載のある旧様式の出生届を掲載していることが2005年1月19日に報道された。各自治体においても、出生届の様式改善は極めて不十分である。これは被告等が婚外子の人権を軽視していることの証明である。
被告等が婚外子の人権を軽視していることは、被告等の人権白書、人権指針等において婚外子に対する社会的差別を個別人権課題として取り上げていないことからも明らかである。
同時に「婚外子差別を個別人権課題として取り上げないのは、相続における補助規定の区別があることを理由に、常時戸籍続柄の差別記載を行い、結果社会的差別を助長した責任が明白になることを恐れる法務省の自己保身である。」
と指摘したところである。

また、法務省は婚外子に対する社会的差別を温存助長することで、国民の婚外子への差別感情を助長し、それを再び法制度上の差別の根拠にしている。それは被告国等の準備書面によっても明らかである。
被告国等は準備書面(1)第2の1で示した「法律上の婚姻によって成立した利益に対する保護を優先する」という認識は「一般的なものか?」と言う原告の問いに対して「一般的である。」と明言した。これは世間の婚外子に対する蔑視感情におもねる法制度をとっていることを被告国等が明白に認めたということである。

出生届の様式の変更については、福岡市のみならず、その後大阪市、東京都についても旧様式の出生届用紙を漫然と配布していたことが明らかになったことからも被告国等の婚外子の人権を軽視する姿勢を証明している。

まず、2005年3月2日に大阪で調査を行い、▲▲区(私の生まれた時の戸籍があります。)と隣接する◆◆区の窓口で出生届用紙を貰ったところ両所で旧様式の出生届用紙を配布された。そこで、大阪市役所に出向き「申し入れ」(甲第6号証-1)をした。

大阪市側は非を認め
①全区役所・出張所の実情を調査し徹底させる。
②来週各区の係長会議があるので、職員に周知させる。
③病院などには通知・助言をする。(病院が出生証明を書くので、実際は区役所窓口より多く利用されています。)
また、3月15日に文書(甲第6号証-2)で回答があった。

また原告が東京において出生届用紙について調査したところ、23区中19区が旧様式のまま配布し、残り4区もボールペンで横線を引くだけで以前の記載が見える状態であった。その結果を持って、2005年3月3日に千代田区への「申し入」(甲第7号証-1)をし、3月17日に文書(甲第7号証-2)で回答があった。

これらの事実は通達3009号が出されたにもかかわらず、全国的に出生届の様式が不適切なまま放置されていたことを伺わせるに充分である。法務省ホームページ上の出生届が新様式に改められたのはようやく2005年3月1日である。このような法務省が自ら出した通達を誠実に履行せず、適切な指導が不足するのは、法務省自身が婚外子の人権は相続分以外でも制限されて当然であるという錯誤を犯しているからである。

法務省は従来から嫡出子と婚外子の区別をたんなる区別ではなく法律上の上下関係であると認識していることによっても明らかである。

従来婚外子の母が結婚し、夫とその婚外子が養子縁組する場合は、母が婚外子と縁組するかどうかは母の意思に任されていた。ところが1987年の民法改正で、このケースでは母も夫とともに縁組しなければならないと変更になった。そのおりの法務省の趣旨説明で「配偶者が自己の非嫡出子を養子とすることは、非嫡出子の法律上の地位の向上をもたらすものであり、子の利益の観点から妥当なものである。」という。
また、法務省による戸籍実務の解説書には婚外子と実母の養子縁組の場合は、縁組により嫡出子の身分を取得し、「地位向上」という実益があるので縁組できるという。
これらの見解によって、民法においても扶養義務の存否などでは法的地位に差異がないにもかかわらず、婚外子が法のあらゆる局面で下位の地位であるという認識を法務省が有していることは明らかである。

養子という嫡出子と同様の地位を婚外子が得ることが、「法律上の地位の向上」であるなら、当然にも婚外子は生来的に法的に下位の人間ということになる。このような表現は法務省自身が婚外子に対して差別意識を有しているという証明であり、その省令、通達もまた差別意識を基にしたものにならざるを得ないのである。よって、本件第3008号通達は原告の関連する戸籍の続柄差別が撤廃されないという拙劣なものとなり、出生届の様式に関わる通達第3009号は法務省自らも守らず、また充分な指導がなされなかった結果不適切な記載を公文書に残存させるという不手際を演じたのである。

婚外子についての民法900条4号の規定は「法律的負担は、その行為叉は過ちを犯した本人にのみ課せられる」近代法の原理・原則に反するものであり、近代憲法において容認されるものではない。その上、政府・法務省は相続における補助規定を口実にして、あたかも婚外子をあらゆる局面で法的に下位の存在であるとし、差別は必然であるという差別体系を創り出し行政における実務慣行として確立させた。役所が公に差別するのであるから、社会全体に「婚外子は差別されて当然である。」とばかりに婚外子に対する社会的差別が蔓延していった。その結果醸成された一般の婚外子に対する蔑視感情を再び法制度の根拠としている。すなわち差別の連関を創り出しているのである。

あたり前にも民法は憲法24条2項「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」に依らねばならず、民法もまた2条に「この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。」との解釈基準を示し再度確認している。であるから被告国等の民法において「法律上の婚姻によって成立した利益に対する保護を優先するという考え方を基盤とする」という主張は主張すること自体失当である。

また、準備書面は最高裁平成7年7月5日大法廷決定をもって婚外子相続分差別の合憲を言いたいようである。しかしこの決定は憲法14条について積極的に違憲であるとした裁判官が五名、消極的に極めて違憲状態であるが立法裁量権の範囲であるという司法消極主義を言う裁判官が四名である。すなわち十五名中九名が婚外子差別に異議を呈しているのである。

平成16年10月14日 第一小法廷判決 平成16年(オ)第992号 不当利得返還請求本訴,同反訴事件においては、五名中二名の裁判官が違憲を述べ、
そのほかに裁判長裁判官島田仁郎が以下の補足意見を述べた。

「民法900条4号ただし書前段の規定が憲法14条1項に違反するかどうかについての私の見解は,最高裁平成14年(オ)第1963号同15年3月31日第一小法廷判決・裁判集民事第209号397頁において私の補足意見として述べたとおりであるから,これを引用する。

本件規定が極めて違憲の疑いの濃いものであることに加えて,大法廷決定から約半年後には,法制審議会により非嫡出子の相続分を嫡出子のそれと同等にする旨の民法改正案が答申されていること,今や世界の多くの国において法律上相続分の同等化が図られていること,国際連合の人権委員会が市民的及び政治的権利に関する国際規約40条に基づき我が国から提出された報告に対して示した最終見解においても,相続分の同等化を強く勧告していること等にかんがみ,本件規定については,相続分を同等にする方向での法改正が立法府により可及的速やかになされることを強く期待するものである。」

まさに立法不作為が問われているのである。最高裁は主務官庁である法務省の怠慢を問うているのである。

また、政府は子ども委員会審議録(1998年)によると、婚外子差別に関わる審議の中で、民法より条約が上位の規定であり、裁判に直接援用できると明確に認めている。

フルチ委員の質問「国内法が条約に抵触した場合、あるいは抵触があるとある人が考えた場合に、どちらが日本の法体系において優位するのか。国内法なのか、条約なのか。」

日本政府回答「日本では条約が法律に優位する」

フルチ委員「本条約が裁判所において当事者により直接援用可能であるのか否か」

日本政府回答「直接適用は可能です。」

このように条約の優位を認めながら、自ら締結した条約に反する主張を裁判においてすることは国連と国民に対する背信行為である。

被告国等は憲法の理念と日本国が締結した条約に反する婚外子に対する人権侵害を公然と日常的に行ってきた。その結果、一般社会においても婚外子に対する社会的差別が公然と行われ、当然のこととして許容されている。
TBS ラジオ番組「バトルトーク」(2004年3月9日( 火 )放送)で
「法務省は、戸籍上の表記や相続権について親が結婚している、していないに関わらず子供の区別をなくしていく方針を示す。
あなたは、嫡出子と非嫡出子の法律上の区別は必要だと思いますか? 」
http://www.tbs.co.jp/ac/bt/2004/20040309c.html
という問いに対する視聴者の答えは以下のとおりである。

…………………………………………………………………
当然必要でしょう。
 もともと子供に不利益を与えることにより親が獣のようにあっちで子作りこっちで子作りみたいな不貞をさせない抑止力になっているのじゃないのでしょうか。すべてを一緒にすることが真の平等とは思えません。
 結婚・就職で差別されるとのことですがそんな相手を選ばなければいいと思う。
 事実婚をする人はすべての子供を非嫡出子にすれば相続の問題は生じませんしどうしてもといわれるならほかの国ですればいいのでは。日本という国にこだわる必要はないんじゃありませんか。
…………………………………………………
結婚という制度がある以上、区別は必要でしょう。
産まれてきた子供に罪はないと言っても、制度を無視した親には罪があると思います。
結婚しないで子供を産むということは、それなりの覚悟ができていて当たり前。普通に結婚して産まれた子供とは決して同列ではないと思いますよ。
……………………………………………………………………
嫡出子と非嫡出子の法律上の区別は必要だと思います。

 一般的なケースでは婚姻してから、子供が出生するのが普通です。婚姻制度が維持されなくなると、家族や相続などに影響することになります。

 非嫡出子に比べて、嫡出子が優遇されるのは当然です。婚姻制度が守られているのですから、得体の知れない非嫡出子より安全性が高いことになります。
進学、就職、結婚などで重要なときに、嫡出子であるほうが安全です。
…………………………………………………………
一応の区別は必要だと思います。嫡出子は、夫婦による子供で、非嫡出子は夫婦ではないカップルが産んだ子供で、全然違います。区別を行わないと行政で問題が発生すると思いますが…
……………………………………………………………………………………………

上記はラジオ放送においての一般視聴者の発言である。

「出生登録において婚外子と嫡出子とが明確に区別されることを定める戸籍法によって、嫡出子はたとえば「長男」または「長女」などのように記載されますが、婚外子は「男」または「女」のように記載されます。このような区別は、すべて不可避的な事実的区別から生じるものであり、子どもが合法的な婚姻関係から生まれたかどうか、また合法的な婚姻関係を保護するための必要から行われるものです。したがって、婚外子に対してそれが何らかの不合理な差別を作り出すものではないと考えられます。」(国連規約人権委員会に対する日本国政府の報告)と強弁しても、現実は婚外子についての法制度の是非に対する問いに対して、一般視聴者は社会的差別を含めて肯定する答えをしている。

これらによって、一般社会において婚外子は法制度を理由付けとして、就学、就職、結婚などの差別、蔑視、偏見、侮辱発言にさらされていることは明らかである。法制度がこれらの差別の理由付けとなっているのであるから、その法制度を採用した被告国等には婚外子に対する社会的差別を除去する責任がある。婚外子は相続分差別規定があったとしても、相続における補助規定で経済的不利益を被る可能性以外の不利益を受けるいわれはない。

しかしながら現に、不合理な差別が生じているのであるから、「婚外子に対してそれが何らかの不合理な差別を作り出すものではない」というのであれば、その現に存在する差別は除かれなければならない。

それでは、ある特定の立場にあると分類される集団が社会的に差別されている場合にはどのようなことが行われているのか。そのような場合には、法務省人権擁護局が個別人権課題として取り上げ「人権白書」に記載し人権啓発を促している。「人権白書」には被差別部落、在日韓国・朝鮮人、ハンセン病回復者、等が個別人権課題として取り上げられている。

ところで婚外子については、住民票続柄裁判 東京高裁判決(1995年 3月22日)「取消請求-訴えの利益無し、国家賠償請求-処分は憲法違反、市長の過失無し」(判例時報1529号29頁)においても、「非嫡出子は、非嫡出子という本人に選択の余地のない出生により取得した自己の属性(社会的身分)により修学及び結婚などの社会関係において深刻な不利益扱いを受けている実態のあることが、いずれも認められる。このような実状、実態の存在するもとでは、本件住民票における嫡出子との差別記載は合理性、必要性がない限り許されないものと言わなければならない。」と判示されている。

また、同判決は原告在住自治体に関する部分で「被控訴人市長は、民法が嫡出子と非嫡出子とで親族、相続上の権利義務に差異を設けている以上、戸籍における嫡出子と非嫡出子との区別記載との照応性には合理性があると主張するが、戸籍上嫡出子と非嫡出子との区別記載が許されるかの点についても問題の存するところである」としている。

このように婚外子に対する社会的差別が指摘されているにもかかわらず「人権白書」等には婚外子についての言及が一切ない。このことについて原告は「申し入れ」(甲第8号証)を持って、2005年3月3日法務省人権擁護局人権啓発課補佐官中水栄利氏と人権啓発第一係長吉田利昭氏と面談した。

なぜ、「人権白書」等で婚外子に対する社会的差別を個別人権課題として取り上げないのかと問うたところ、補佐官中水栄利氏の回答は、「人権白書」は部分ごとに担当部局が書いた物をこちらでまとめている。婚外子差別については法制度が関係するので、執筆するのは(法制度を担当する)民事局である。」というものであった。これは法務省民事局の、過去に複数回にわたって裁判所が判示した婚外子に対する社会的差別の指摘を無視する行為である。

被告国等の引用するに最高裁平成7年7月5日大法廷決定においても「立法によって本件規定(婚外子相続分差別規定)を改正する方法によることが至当である。」とし「国会における立法作業によって、より適切になし得る事柄であり、その立法の過程を通じて世論の動向を汲み取るとともに、国民に対し、改正の趣旨と必要性を納得させ、周知させることもできるのである。」と付言されている。「人権白書」等で婚外子に対する社会的差別を個別人権課題として取り上げることは、「国民に対し、改正の趣旨と必要性を納得させ、周知させる」ことに極めて有効な手段である。またそうすることによって最高裁が判示した立法による解決をはかることが容易になるのである。すなわち被告国等の対応は最高裁の付言を無視する行為である。
これはまた同時に、政府に対して世論の喚起を求める国際社会からの要請を無視する行為である。

市民的及び政治的権利に関する国際規約(日本国報告書審査1993年)
E.提言と勧告
  17.また、当委員会は、規約第2条、第24条及び第26条の規定に一致するように、婚外子に関する日本の法律が改正され、そこに規定されている差別的な条項が削除されるよう勧告する。日本に未だに存続しているすべての差別的な法律や取扱いは、規約第2条、第3条及び第26条に適合するように、廃止されなければならない。日本政府は、このことについて、世論に影響を及ぼすように努力しなければならない。

また、被告国等は第二回公判で認めたように一般的な「法律上の婚姻によって成立した利益に対する保護を優先する」という漠然とした考えを差別的法制度の根拠にしているのである。すなわち人権啓発の結果、一般社会が婚外子に対する差別の不当性を認識すると法制度上の差別の根拠が失われる。それを恐れて被告国等は、自己正当化の為に社会に蔓延する婚外子に対する差別意識を温存しているという非難を免れない。

また、特に民法における相続分差別は立法当時から違憲立法であることが意識されていたので衆議院において「可及的速やかに見直す。」との付帯決議がなされている。現状はまさに立法不作為を問われるところであり、主務官庁である法務省は責任を免れない。その責任を回避する為に、人権啓発を行わず婚外子に対する社会的差別を温存し、醸成された差別意識を法制度の根拠にするには責任逃れとしても悪辣と言わざるを得ない。

同時に自らが婚外子に対する差別意識にまみれているが故に、原告の関連する戸籍の続柄に差別記載を維持し、「婚外子などその程度の扱いで充分だ。本来婚外子とは法的に下位の身分の被差別者であるのに、現行戸籍だけでも嫡出子並に扱ってやったことを感謝しろ。」と言わんばかりの通達を出しているのである。

おおよそ行政の配慮とは国民の福利厚生に資する為のものである。被告国等の準備書面において、原告の関連する戸籍に差別記載を維持することが国民の福利厚生に適うであろう理由をなんら述べず、行政の裁量権であるとのみ言う。それは原告の関連する戸籍に自らが不適当だとする差別記載を維持することが正当であるとするような理由が一切ないからである。実際婚外子戸籍続柄差別が完全に撤廃されることによって、国民の利益が損なわれることはない。「行政の配慮」が原告の関連する戸籍におよばない理由はひとつには「被告国等自らが持つ差別意識に引きずられた。」からである。
また、「一般社会における婚外子に対する差別意識を払底するための人権啓発を行わない。」のは、「国民の持つ差別意識を温存することによって、立法不作為の責任を国民の婚外子に対する差別意識に求める。」ためである。そうすることによって「自己の立法不作為の責任を回避することが出来る。」ので、何も述べることができないのである。だからこそ被告国等の準備書面において「原告の関連する戸籍に自らが不適当であるという記載を維持することが正当である。」という主張が開陳されていないのである。

このような法務省の婚外子差別維持の姿勢は、2003年7月に行われた国連の女性差別撤廃委員会日本国審査のための女性差別撤廃委員会 第 29 会期 事前作業部会「定期レポートの審議に関する課題および質問事項一覧:日本」に対するNGO回答からも伺える。
 これに関連して3月14日に NGOが法務省との話合いをもち、「相続差別撤廃がなぜ必要なのか、撤廃は緊急課題である」等という内容の冊子を作成し、与党の議員への働きかけを強めるべきではないか、と要請した。しかし法務省としては、「いまのところ冊子を作ることは考えていない」とする回答をした。
ちなみに女性差別撤廃委員会委員の主な関心事項として婚外子差別があげられていることは、政府自身によって認識されている。これは、国際連合日本政府代表団のホームページで確認できる。
http://www.un.int/japan/jp/statements/jyoshisabetsu.html

法務省(戸籍の管轄は民事局)が戸籍に関わる行政事務・慣行によって婚外子が嫡出子と異なる下位の身分であるという認識を社会に蔓延させてきたのである。しかも、「人権白書」(管轄は法務省人権擁護局)に取り上げさせず婚外子の社会的差別を温存することによって、世論が婚外子に対する差別的法制度を支持するように仕向けてきたといえる。下位の身分の者に対して当然の法制度であってそれは差別にはあたらないという認識が一般社会に蔓延するように仕向けてきたのである。

また、法制度の効果として、法的地位が下位の人間に対する社会的差別は肯定されるべきであるという思想が婚外子差別に含まれるなら、そのような法制度そのものの存在が現行憲法上、まったく許されないことは言うまでもない。

法制度によって法的に下位の存在を創り出すこと、それ自体が憲法11条「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と
97条 「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」に反する行為である。

また、司法は内縁準婚主義をとり、内縁保護は法律婚の尊重に反する重婚的内縁関係にまで及び、重婚的内縁関係の妻にも遺族年金の受け取りを認める判断を最高裁がしている。

判例 S58.04.14 第一小法廷・判決 昭和54(行ツ)109 遺族年金却下取消(第37巻3号270頁)に「戸籍上届出のある妻が、夫と事実上婚姻関係を解消することを合意したうえ、夫の死亡に至るまで長期間別居し、夫から事実上の離婚を前提とする養育料等の経済的給付を受け、婚姻関係が実体を失つて形骸化し、かつ、その状態が固定化し、一方、夫が他の女性と事実上の婚姻関係にあつたなど判示のような事情があるとき」内縁の妻に年金の受け取りを認めたように、重婚的内縁関係を含めて内縁関係を保護してきた。

近時は「戸籍上届出のある妻が、夫と事実上婚姻関係を解消することを合意した」かを問わず、婚姻関係の実態に評価する判断をしている。

遺族年金、内縁の妻に受給権利 最高裁判決
2005年04月21日11時57分 朝日ウェブニュース
http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY200504210175.html?t
 
 共済制度に加入していた男性が死亡した場合、同居していた内縁の妻と、別居中の戸籍上の妻のどちらが遺族共済年金を受給する権利があるかが争われた訴訟の上告審判決が21日、あった。最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は「男性と戸籍上の妻との婚姻関係は実体を失って形骸(けいがい)化しており、内縁の妻は事実上婚姻関係と同様の事情にある」と述べ、内縁の妻に受給権を認めた。日本私立学校振興・共済事業団の「内縁の妻には支給しない」とした裁定を取り消した一、二審判決を支持。事業団側の上告を棄却した。

 横尾和子裁判官は「男性は別居後も、対外的に戸籍上の妻を妻として取り扱っていたといえるから、戸籍上の妻との婚姻関係が形骸化していたとはいえない」として、内縁の妻の請求を棄却すべきだとする反対意見を述べた。

 一、二審判決によると、男性は戸籍上の妻と1956年に結婚。長男をもうけたが78年ごろから20年以上、別居状態となったものの、戸籍上の妻は99年までは男性の被扶養者として扱われていた。一方、内縁の妻は67年に大学に入学し、当時助教授だった男性と知り合い、79年ごろから親密になって夫婦同然の生活をするようになった。男性の収入で生計を維持し、男性が01年に死亡した際も、最期まで看護をした。

内縁関係を結ぶのは当たり前にも当事者の自由意思である。その結果責任を当事者が負うのはなんら近代法の原則に反さない。このような時にこそ「法律上の婚姻によって成立した利益に対する保護を優先」してしかるべきである。にも関わらず「法律上の婚姻によって成立した利益に対する保護を優先」せず、「内縁関係を保護する」判断をした。法律婚が形骸化していることを内縁関係の保護の理由にするなら、かかる内縁関係による子は嫡出子とすべきである。
内縁関係を結ぶ事は当事者の意思による。婚外子に生まれることにまったく当事者の意思に関わらない。内縁関係による利益を法律婚より優先するにもかかわらず、「法律上の婚姻によって成立した利益に対する保護を優先する」ために婚外子に対する法制度上の差別を肯定することは、司法判断として極めて不自然で論理的整合性を欠くと言わざるを得ない。

よって原告は裁判所に、被告国等が不適当であるとする戸籍続柄記載によって社会的差別が助長され、原告のプライバシー、精神的利益、名誉感情、自尊感情が侵害されたのであるから、被告国等に謝罪と損害賠償を命じる判決を要請するものである。
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