国会チラシ
2009 / 11 / 21 ( Sat ) 民法の婚外子相続分差別は、行政による
人権侵害を引き起こしています!! 最高裁の2009年9月30日付け決定は、民法における相続分差別規定を、 「本件規定は非嫡出子が嫡出子より劣位の存在であるという印象を与え,非嫡出子が社会から差別的な目で見られることの重要な原因となっているという問題点が強く指摘されるに至っているのである。」と指摘しています。民法における相続分差別規定が、婚外子に対する社会的差別の原因とも根拠ともされている現状は、放置できない人権問題です。 また、法務省は、婚外子であることを戸籍において「一見して明瞭に記載する必要」があるとする根拠に、「相続分差別が民法に定められている。」ことを挙げています。 この戸籍における婚外子に対する差別記載についても、婚外子が「就学、就職及び結婚等の社会関係において今なお看過し難い不利益な取り扱いを受けているところ、社会生活においては、多くの場面において戸籍の謄本の提出が求められることがあり、その戸籍の記載」によって婚外子であることが判明し、「差別等が助長されることが認められる。」と、裁判所は認定しています。 (2004年3月2日 東京地裁) しかし、法務省は人権を司る省庁であることを自認しながら、婚外子に対する社会的差別については、人権啓発を全く行なっていません。このようにして、法制度上の差別が社会における差別意識を醸成し、その差別意識を法制度が肯定するという婚外子に対する人権侵害の構図が野放しにされています。 日本には、婚外子差別に限らず、広範な公権力の関わる差別があることが認識されています。国連の自由権規約委員会や女性差別撤廃委員会等は、日本政府に対して、「広範な任務を有する独立の国内人権機関」を設置することを求めています。 「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会 Association for the Support of Children out of Wedlock |
国会チラシ
2009 / 10 / 30 ( Fri ) 最高裁が相続差別撤廃の民法改正を示唆しました!
最高裁は、2009年9月30日付け決定における違憲審査で、「立法府に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えたものということはできない。」とした大法廷決定(1995年7月5日)を踏襲し、婚外子相続分差別を規定する民法900条4号但し書きを違憲とはせず、法改正による解決を立法府に託しました。 裁判官竹内行夫の補足意見 「嫡出子と非嫡出子の相続分を平等とすることは世界的なすう勢となっており,我が国に対し,国際連合の自由権規約委員会や児童の権利委員会から嫡出子と非嫡出子の相続分を平等化するように勧告がされていることなどは,我が国を取り巻く国際的環境の変化を示すものといえよう。」 「社会情勢等の変化を考慮すれば,本件規定が嫡出子と非嫡出子の相続分に差をもうけていることを正当化する根拠は失われつつある一方で,本件規定は非嫡出子が嫡出子より劣位の存在であるという印象を与え,非嫡出子が社会から差別的な目で見られることの重要な原因となっているという問題点が強く指摘されるに至っているのである。そうすると,少なくとも現時点においては,本件規定は,違憲の疑いが極めて強いものであるといわざるを得ない。」 「平成8年には法制審議会により非嫡出子の相続分を嫡出子のそれと同等にする旨の民法改正案が答申されているのである。これらのことを考慮すると,私は,社会情勢等の変化にかんがみ,立法府が本件規定を改正することが強く望まれていると考えるものである。」 裁判官今井功の反対意見 「法制審議会による上記答申以来十数年が経過したが,法律の改正は行われないまま現在に至っているのであり,もはや立法を待つことは許されない時期に至っているというべきである。」 2005(平成17)年9月14日、最高裁判所大法廷は、在外邦人が選挙権を行使できないことについて、「国会が10年以上の長きにわたって在外選挙制度を創設しないまま放置した」ことを、立法不作為による違憲としています。 「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会 Association for the Support of Children out of Wedlock |
要望書
2009 / 10 / 03 ( Sat ) 要 望 書
千葉 景子 法務大臣 2009(平成21)年9月18日 ご就任おめでとうございます。16日深夜の会見お疲れ様でした。マニフェスト記載の取り調べの可視化、人権侵害救済機関の創設、人権条約選択議定書の批准に言及されましたことに感慨を深くしております。 さて、申すまでもなく法務省は人権を司る行政機関であり、人権擁護局を擁しております。しかしながら、婚外子に対する社会的差別について、人権啓発がなされたことは過去に一度もありません。 一方、本年7月にニューヨークの国連本部における女性差別撤廃条約の日本国審査において、法務省は民法改正に「世論」の動向を持ち出して、女性差別撤廃委員会から、厳しい批判を浴びました。もとより、条約の遵守は国としての責務であり、「世論」の動向を持ち出すことは許されません。それにも関わらず、「世論」を持ち出すのであれば、法務省は人権啓発をし、「世論」に働きかけねばならないのではないでしょうか。 人権擁護局に問い合わせたところ、「すべての児童は、嫡出であると否とを問わず、同じ社会的保護を受ける。」(第25条2)と謳われている世界人権宣言に基づく毎年12月に行われている人権週間における啓発事業を含めて、婚外子に関する人権啓発を全く行ってこなかったことを認めています。 千葉法務大臣には、速やかに関係部署に、個別人権課題として婚外子に対する社会的差別を解消するための啓発活動に着手するように督励なさいますことを、強く要望いたします。 「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会 Association for the Support of Children out of Wedlock |