2010 / 01 / 18 ( Mon )
個人通報制度の早期実現を求めるアピール

 日本が締結している自由権規約、女性差別撤廃条約、人種差別撤廃条約及び拷問等禁止条約には、さまざまな人権保障条項があります。個人通報制度とはこれらの人権が侵害されているにも拘わらず、最高裁判所でも人権救済が実現しない場合、被害者個人等が各人権条約の定める国際機関に通報し、救済を求める制度です。この個人通報制度を実現するためには、各条約の人権保障条項について個人通報制度を定めている選択議定書等を批准するなどの手続きが必要です。
 
 残念ながら、最高裁判所をはじめとして日本の裁判所は、これらの人権保障条項の適用について積極的とはいえず、せっかく締結した各条約の人権保障条項が十分に活かされていません。各人権条約における個人通報制度が日本で実現すれば、各条約上の委員会の見解・勧告等による救済を求めることができることになり、また、その結果日本の裁判所も国際的な条約解釈に目を向けざるを得ないことになって、日本における人権保障の大きな向上が期待されます。
 
 国連人権理事会、自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会などは、かねてから日本に対して個人通報制度の実現を勧告しています。日本は個人通報制度を一切採用していませんが、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国、G8サミット参加国の中で、個人通報制度を持たない国は唯一日本のみとなっています。これでは人権理事会の理事国としてふさわしくないばかか、「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」とした日本国憲法前文の精神にも反することになり、日本が人権尊重を柱とした外交を展開しようにも、他国から信頼を得ることが難しくなります。
 
 2009年9月の政権交代により、個人通報制度の実現を公約に掲げた政党が政権与党となり、個人通報制度実現への期待が一気に高まっています。本日の集会に参加した私たちは、この個人通報制度の早期実現を政府、国会に強く求めるとともに、日本における人権の保障を一層促進・強化するため、あらゆる努力を尽くす決意をここに表明するものです。

                                     2010年1月15日        
「今こそ、個人通報制度の実現を!大集会」参加者一同
                    
                                    主催  日本弁護士連合会

※日比谷公会堂で行われた集会では、当会代表が登壇、発言いたしました。
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国会チラシ
2009 / 12 / 20 ( Sun )
子どもの権利条約が採択されて20年です!
日本は婚外子差別撤廃を勧告されています!

本2009年11月20日に、子どもの権利条約は国連総会で採択されてから20年目を迎えました。それを記念し、各地で記念式典が開かれました。日本はこの子どもの権利条約を1994年に批准しました。

条約を批准した締結国は、5年ごとに条約の国内実施状況についての報告書を、子どもの権利委員会に提出します。その報告書に基づいて、子どもの権利委員会は審査を行い、対応が不十分な点について締結国に勧告します。言うまでもなく、日本国憲法は第98条に条約を尊重するという旨の規定をおいています。

そして、日本国は過去二度行われた審査のいずれにおいても、婚外子差別を撤廃するように勧告されています。まずは、婚外子相続分差別を撤廃するための民法改正を行うことが、国際社会から要請されている急務です。

子どもの権利委員会総括所見 第18会期 (第1回日本国審査1998年)
C.主な懸念事項
14.委員会は、法律が、条約により規定された全ての理由に基づく差別、特に出生、言語及び障害に関する差別から児童を保護していないことを懸念する。委員会は、嫡出でない子の相続権が嫡出子の相続権の半分となることを規定している民法第900条第4項のように、差別を明示的に許容している法律条項、及び、公的文書における嫡出でない出生の記載について特に懸念する。

子どもの権利委員会総括所見 第35会期 (第2回日本国審査2004年)
C.主要な懸念領域および勧告
3.一般原則 差別の禁止
25.委員会は、締約国が、とくに相続ならびに市民権および出生登録に関わるあらゆる婚外子差別ならびに「嫡出でない」といった差別的用語を法令から除くために法律を改正するよう勧告する。

              「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会
              Association for the Support of Children out of Wedlock
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国会チラシ
2009 / 11 / 21 ( Sat )
民法の婚外子相続分差別は、行政による
人権侵害を引き起こしています!!
 
 最高裁の2009年9月30日付け決定は、民法における相続分差別規定を、
「本件規定は非嫡出子が嫡出子より劣位の存在であるという印象を与え,非嫡出子が社会から差別的な目で見られることの重要な原因となっているという問題点が強く指摘されるに至っているのである。」と指摘しています。民法における相続分差別規定が、婚外子に対する社会的差別の原因とも根拠ともされている現状は、放置できない人権問題です。

また、法務省は、婚外子であることを戸籍において「一見して明瞭に記載する必要」があるとする根拠に、「相続分差別が民法に定められている。」ことを挙げています。

この戸籍における婚外子に対する差別記載についても、婚外子が「就学、就職及び結婚等の社会関係において今なお看過し難い不利益な取り扱いを受けているところ、社会生活においては、多くの場面において戸籍の謄本の提出が求められることがあり、その戸籍の記載」によって婚外子であることが判明し、「差別等が助長されることが認められる。」と、裁判所は認定しています。
(2004年3月2日 東京地裁)

しかし、法務省は人権を司る省庁であることを自認しながら、婚外子に対する社会的差別については、人権啓発を全く行なっていません。このようにして、法制度上の差別が社会における差別意識を醸成し、その差別意識を法制度が肯定するという婚外子に対する人権侵害の構図が野放しにされています。

日本には、婚外子差別に限らず、広範な公権力の関わる差別があることが認識されています。国連の自由権規約委員会や女性差別撤廃委員会等は、日本政府に対して、「広範な任務を有する独立の国内人権機関」を設置することを求めています。

               「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会
               Association for the Support of Children out of Wedlock
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